入院の日々 part2
さてさてまだ入院中である。
前回ブログから間もないので「まさかこれは何かあったのでは?」
と思われる人もおられるかもしれないが、いえ、暇なだけです。
やっと最近になって暇だと思える程度に身体の調子が良い日が増えてきということであり、
「そんなに暇ならもうすぐ退院か」と言えばそうはいかない。
というのもまだ身体に管が入っててこのままじゃまだ帰れないんです。
何かしたいんだが出歩こうにもコロナの影響で院内から出られず、かといって誰も面会にも来てもらえず。特に最近コロナ感染者増加でさらに病院の面会が厳重になってしまっており、さらに面会が厳しくなってしまった。
読みたい本もなかなか手に入らず、本も持ってきたが集中力が落ちててなかなか読む気にならない。しょうが無いから音楽聴いて何となく過ごす。
そうしてたら最近テレビを以前よりたくさん見るようになってしまった。
家ではニュースと気に入った番組少し撮りため一気に見たり、後は動画配信サービスのドラマをみていたが、入院中は気力、体力が無いのではまって長時間見る気になれない。
おのずとニュース、ドラマやバラエティ番組を適当にばらで見ている。
しばらく見てなかったけど色々やってるんだな。「へえ、最近こんな番組もあるのか」となかなか新鮮ではある。
その中にあってこの入院中割とはまったのがNHK朝の連続テレビ小説だ。
これまでの人生でこの番組はほとんど意識したことがなかった。そもそもこの時間帯は見られない。しかも15分しかないので録り溜めてみる気にもならないし、またシリーズが長い。
でも入院してると8時に食事が出てくるので自然その間動けず、テレビを見るとちょうど始まる。15分で終わるので食事の間でちょうど見られる。
何となく見始めてみると毎回15分の間でも飽きさせないよう展開が早く、引きがうまい。しばらく見ていくうちに主人公たちに感情移入してしまい次々起こる展開に一喜一憂して先が気になる。気がつくと話に引き込まれて毎日ずっと見てる。なるほどこれはおもしろい。
昔産婦人科に入局してすぐ出張病院の婦人科病棟で仕事していたとき
毎朝患者さんのところに挨拶に行っていた。あるとき食事の時間ならみんないるはずだからと部屋に行く。
「〜さん、調子どうですか?」しかし「は〜大丈夫です・・・」ん?いつもは話し好きの人なのに生返事。話を続けようにもそんな感じで気もそぞろ。よくみると患者さんの視線はずっとテレビから微動だにしていない。周りを見渡すとほぼみんなテレビに釘付け。
「あ〜、連続テレビ小説がある時間は行っても話は無理なんだな。」
そんなにみんな見るものなんだとその時初めて知った。特にその頃の方が婦人科も入院期間長かったし時代的なものもあるのかはまり度は今よりすごかったように思う。
でもシリーズによっては間違ってその時間帯に行っても患者さんは普通に応対してくれるので「あ〜、今回のシリーズはおもしろくないんだな」と病棟でだいたいの視聴率が分かったものである。毎日続く入院生活になかでほんのひととき違う世界の中に浸れる幸せな時間なのかもしれない。
自分も今同じ事を経験している。この病気や入院してからこんな風に幸せを感じる規模がどんどん小さくなっていくが案外幸福ってこういうことかもしれない。
入院の日々
さて前回ブログでは入院についてお知らせしたところ、応援メールをいくつもいただき本当にありがとうございました。
というわけで今回は入院経過中のお話。
予定通り7月初旬に入院し大手術だったようだが(全身麻酔だったので術中のことは話で聞いただけ)ドクターの皆様のおかげで無事終わった。
今はまだ術後管理のため入院療養(長くかかるのは予定通り)を続行中である。
最近やっと周りの状況にも目が届くようになってきた。といっても病院はコロナの影響で面会謝絶となり、自分自身も簡単に外に出られないので「リハビリですから動きましょう!」といわれても動く場所がほとんど無い。結局その生活のほとんどを病室で過ごすことになる。もともとインドア派だし、ほぼ連日雨が降っていたのでそこまで我慢できないわけではないがやっぱりもやもやする。
今は音楽聴いたり、本を読んだり、テレビをみたり、窓の外の景色を眺めて過ごすとらわれの身のような非日常生活が続いている。昼間っから病衣ばっかり着ていたら病人みたいな気持ち(病人なのだが)になるので時々私服を着て過ごして気分転換。
以前知り合いが入院されたときも入院してこんな病衣を着ていたら気持ちまで病気になってしまうと私服を貫いたりした気持ちがよく分かる。だれか着ていても気持ちが前向きになる病衣を開発してくれないか。
さて外では蝉がじーじー鳴いてる。よし夏本番か!?と先週くらいから思っているがこの時期に来てまだ梅雨があけない。蝉たちも雨と雨の間で頑張って鳴いてる感じ。せっかくやっと土から出てきたんだろうにこれじゃ本気で鳴いて良いかどうか考え込んでるんじゃないのか?
入院中も世間ではずっとコロナ感染問題は続いており、それに加えてまた九州での水害・・・熊本は大丈夫か?久留米はここ数年毎年浸水被害に遭っているのではないかなどと心配はするが何もできず病室でやきもき。とくに豪雨災害まっただ中の頃は自分自身が今振り返ってみても「あんときは事によったらかなりやばかったんじゃないか?」という状況でそれどころではなかった。ドクターやスタッフの迅速、的確な対応で1週間くらいで最悪の状況から脱したがあれはきつかった。術直後のICUで一日過ごしたときもきつかったがそれ以上だったかもしれない。
しかしそのきついときでも食欲は何とかあったし(意地汚い?)のど元過ぎれば何とやら、そもそも過ぎたことをずっとくよくよ考えるのは性に合わないので(懲りない性格)これまでの経過含め結果的に一歩一歩ゆっくりと着実に前に向かって進んでいるならそれで良いか、というのが今の気持ち(術前貯蓄していた体重もちょうど消費されて良いところで安定してるし)さらに今回の入院で患者さんの気持ちも改めてよく分かった。非常に多くの得がたい経験をさせてもらってこれからの医師人生において大いに役立つ経験であったと思う。
さて体調も落ち着くと気になるのはやはり病院のこと。
患者さんはみんな問題なく順調にいっているであろうか。加藤先生、スタッフも大変じゃないだろうかと言ったことが気になりほぼ毎日定期的に連絡は入れている。
いまのところ大きな問題も無いようでほっとする。
ただ電話をかけると忙しいときもあり、ちょっと今忙しいのでといわれ、そういうときは手短に確認したら早々に話し終わる。
ちょっとさびしい・・・
まあみんな良い働きをしているのであろう。
退院まではもう少しかかるようだが、しま産婦人科に帰ったら早く仕事復帰したいと思えるようになったのも元気になった証拠かな。(どうせすぐ仕事しようとしてもスタッフからたしなめられるような気がするが)
もうしばらく留守にしますが、早くみんなに会いたい気持ちでいっぱいです。もう少しお待ち下さいね。
コロナ禍によるダメージ回復もままならない状態での災害
コロナ禍(第1波)によるダメージ回復もままならない状態で、今回の災害。
自分が20年以上暮らしていた九州の被害も他人事とは思えない。
被災者に耳心地良いセリフで「明けない夜はない」「日はまた昇る」などと言えればどれ程良いか。実際に、これだけ続くと「もう大丈夫だよ、元気出して行こう」なんてとても言えない。こちらからはかける言葉も失ってしまう。
ところが病気でも、災害でも、己の制御できない災厄に負けずに「それでも!」と歯を食いしばって前を向いて進む人達がいる。
その様な方々を見ると、本当に頭が下がる。
そして、ただただ応援することしかできない。
大泉洋主演の大ヒットTVドラマ「ノーサイド・ゲーム 最終話」を最近再視聴したが、
好きすぎて覚えてしまった西郷輝彦(社長)のセリフがある。
頑張れ!頑張れ・・・
不思議だ、応援をしているのは我々なのに、まるで彼らに応援されているようだ。
彼らに、負けるな!負けるな!と励まされているようだ。
きっと会社も、この国も、
この先も、たくさんの困難が待ち受けている・・・
だけど決して諦めるな!
仲間と一緒に乗り越えよ!
そう言って、彼らが我々の背中を押してくれているようだ・・・(中略・意訳あり)
ドラマでは、そこから米津玄師「馬と鹿」が流れ、怒涛の頑張れコールが始まる!
頑張れ!頑張れ!我々は選手を応援しながら、自分自身を奮い立たせているのだ。
頑張れ!頑張れ!他人事ではないのだ。
年をとって涙もろくなった。最近では「馬と鹿」を聞くだけで泣けてくる(笑)
ここだけのお知らせ
コロナコロナで気がつくと今年のブログは新年の挨拶以来ずっとこの話題である。当院ではまだまだ制限は多いが出産立ち会いだけ一部解除し、少し皆さんの不安は解消されたようだ。
よかった。
また状況見ながら徐々に解除していこうと思う。
さて、ここでいつもブログをみていただいている(そんなにずっとみてくれている方はおられないかもしれませんが・・・)賢明な読者の方であれば、
「あれ、この前ブログ更新されたばかりなのに今回は更新が早いぞ?いつもは月末なのに」
と思われたかもしれません。
はい、実はちょっと表のお知らせに出すにはちょっと恥ずかしいのでここでお知らせしたいことがありまして・・・
実は7月に自分自身が手術することになりました。
ブログでは昨年より病気で治療中であることは何となくお伝えしていました。
皆さんから本当に多くの心強い応援をいただき治療はこれまでの所なんとか順調でした。そしてこの度ついに手術することになり今回はしばらく入院、療養(7月いっぱいくらい)する事になります。もちろんその間の病院は加藤先生がしっかり守ってくれているので外来、お産などのご心配はいりません。僕自身も手術後に体重が減ってもよいように病気で減っていた体重もしっかり戻していましたので(戻しすぎだったか)8月には体調をみながら復帰しようと思っています。ご心配ご不便おかけしますが、あまり心配なされないようお願いいたします。(この辺のことははっきり言わないと色々間違ったうわさが流れてもいけませんので)
多分7月のブログも調子よければ書こうとは思っていますのでまた追って経過報告はさせていただきます。
それではまた